シグナリング通知メタデータ拡張機能

警告

シグナリング通知メタデータ拡張機能は実験的機能のため正式版では仕様が変更される可能性があります

概要

シグナリング通知メタデータ拡張機能(以降メタデータ拡張機能)は、 Sora に API 経由で変更できるメタデータを接続ごとに保持する機能です。

  • メタデータは新規参加者にシグナリング通知経由で共有されます

  • メタデータを API 経由で変更した際に変更をプッシュで通知することもできるようになります

目的

接続ごとに持たせたメタデータを API 経由で変更し、 既存参加者にはプッシュで通知、新規参加者には参加時に通知するような仕組みを提供することです。

シグナリング通知メタデータの課題

今までのシグナリング通知メタデータは、接続時の指定した値を認証成功時の払い出しで上書きするといったものでした。 そのため 接続ごとの状態変更 を管理するために別の仕組みを用意する必要がありました。

メタデータ拡張を利用することで、接続ごとの状態、 例えば「忙しい」といったプレゼンス情報を Sora で管理し、他の接続に通知できるようになります。

メタデータ拡張機能を利用することで実現できること

  • 参加者のプレゼンス状態を変更した際に既存参加者にはプッシュで共有し、新規参加者にはシグナリング通知で共有できるようになる

  • マイクミュート状態を既存参加者にはプッシュで共有し、新規参加者にはシグナリング通知で共有できるようになる

  • 画面共有中の配信者を既存参加者にはプッシュで共有し、新規参加者にはシグナリング通知で共有できるようになる

今まで別の場所で保持していた変更可能な状態を Sora 側で持つことができます。

メタデータ拡張機能の有効 / 無効について

メタデータ拡張機能はデフォルトで無効になっています。

sora.conf の指定

メタデータ拡張機能を有効にするには設定を有効にする必要があります。

signaling_notify_metadata_ext = true

有効にした際の変更点

  • API 経由で connection.created 時に共有される metadata が key / value 形式で指定できるようになります

  • シグナリング通知時に送られる metadata は API でのみ反映され、接続時や認証時の signaling_notify_metadata は反映されません

  • シグナリング通知時に送られる metadata の初期値は {} で空オブジェクトです

  • 接続時に指定していた signaling_notify_metadataauthn_metadata を利用してください

    • 指定しない場合は authn_metadata はシグナリング通知時に含まれません

  • 認証成功時に払い出していた signaling_notify_metadataauthz_metadata を利用してください

    • 指定しない場合は authz_metadata はシグナリング通知時に含まれません

メタデータ拡張機能の特徴

  • API 実行時に "push": true を指定することで、メタデータの変更と通知を同時に行えます

    • 通知は "type": "push" で行われます

  • API 経由で以外では変更できません

メタデータ拡張機能の制限

重要

1 接続が保持できるメタデータ拡張のサイズは最大 32 KiB (32768 バイト) です。

メタデータのサイズはメタデータ拡張機能をエンコード済みの JSON 、つまり文字列としてサイズを計算します。

例えば {"a":"b"} の場合は 9 バイトで、 {"a":"b","c":1200} は 18 バイトです。

メタデータ拡張の初期値

メタデータ拡張機能の初期値を認証ウェブフックの成功時に。払い出すことができます。

{
   "allowed": true,
   "signaling_notify_metadata_ext": {
      "abc": 10
   }
}

払い出す値は JSON Object である必要があります。

利用方法

開発ツールを利用します

注意

シグナリング通知メタデータ拡張 API が有効になるのはイベントウェブフックの connection.created が通知されてからです。

  1. シグナリング通知メタデータ拡張機能を有効にしましょう

    • sora.confsignaling_notify_metadata_ext = true を設定します

  2. まず1つ目の接続をしてみましょう

    • 開発ツールの マルチストリーム送受信 を開いて、右上の debug にチェックを入れて connect を押してください

    • channel_id はデフォルトの sora のままで問題ありません

    • connection_idPPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0 とします

  3. この時点で、まだ PPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0metadata{} です

  4. PPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0 のメタデータに新しいアイテムを追加してみましょう

    • HTTP API の PutSignalingNotifyMetadataItem を利用します

    • key を "abc" とし value を 10 としてアイテムを追加します

    • ついでにプッシュ通知も行うように push を true にします

    http POST 127.0.0.1:3000/ x-sora-target:Sora_20201124.PutSignalingNotifyMetadataItem \
        channel_id=sora connection_id=PPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0 \
        key=abc value:=10 push:=true
    HTTP/1.1 200 OK
    access-control-allow-headers: Origin, X-Requested-With, Content-Type, Accept, x-sora-target
    access-control-allow-methods: POST, OPTIONS
    access-control-allow-origin: http://127.0.0.1:5000
    access-control-max-age: 1000
    content-length: 10
    content-type: application/json
    date: Wed, 25 Nov 2020 08:16:44 GMT
    server: Cowboy
    
    {
        "abc": 10
    }
    
    • Push タブにプッシュ通知が来ていたら成功です

  5. 項目に値が入っているか確認してみましょう

    http POST 127.0.0.1:3000/ x-sora-target:Sora_20201124.GetSignalingNotifyMetadata \
        channel_id=sora connection_id=PPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0 -vvv
    
    HTTP/1.1 200 OK
    access-control-allow-headers: Origin, X-Requested-With, Content-Type, Accept, x-sora-target
    access-control-allow-methods: POST, OPTIONS
    access-control-allow-origin: http://127.0.0.1:5000
    access-control-max-age: 1000
    content-length: 10
    content-type: application/json
    date: Wed, 25 Nov 2020 08:14:34 GMT
    server: Cowboy
    
    {
        "abc": 10
    }
    
  6. 新しい接続に追加したアイテムが反映されているメタデータが通知されるか確認してみましょう

    • 別のタブで マルチストリーム送受信 を開いて、debug にチェックを入れて connect して Notify タブを見てみて下さい

    • data の中に connection_id: PPD3R008XH0S11CG535JFKQFH0 があり、その metadata が先程作成した値であれば成功です

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